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恵比寿にて〜26

《バレンタインデーが近づいた。製菓会社の戦術でチョコのプレゼントが盛んになり始めたときだった。後輩が《バレンタインデーを知っていますか?》《もちろん、中学3年の昭和30年から知っているよ》《まさか冗談でしょ》
僕が見た雑誌には水たまりに5〜6人の男が転がっているモノクロ写真が載っていた。記事を読むと縄張りを荒らすギャングをFBIを装ってマシンガンで虐殺したカポネの悪業:聖バレンタインデーの大虐殺の写真だった。
僕にとってバレンタインデーはチョコよりも水たまりならぬ血の海の印象が強い。殺されたギャングが殉教者とは思わないが。
写真には絵画とはまた違った訴求力がある。
 
このほかに一生忘れられない四葉の写真がある:
◎米軍が撮影したサイパンの万歳クリフから幼児を抱いて飛び降りモンペ姿で空中に浮かぶ婦人。僕は一生サイパンやテニアンには行かないだろう。
◎パリ解放後にドイツ兵の子供を産んだ女性の市中引き回し。丸坊主にされて周囲の嘲笑のなかを嬰児を抱いて歩く女性の毅然とした目の光。
◎新聞で見た木からぶら下がる裸の黒人の小さな写真。高校生になってビリー・ホリデーの絶唱《奇妙な果物:Strange Fruit》を聞いた:《南部のポプラの根元を朱に染めて枝にぶら下がる奇妙な果物…》
◎家に誰が持ってきたのか《ヨーロッパ青鉛筆》という雑誌が転がっていた。見開きには男が逆立ちしている写真があった。記事を読むとムッソリーニの逆さ吊りの写真だった。無残な写真だった。
 
《都知事選で田母神氏への62万票が20歳代の若者が中心だったと知って驚いた。子供のころに経験した相互監視の《隣組》の陰鬱さを思うと何故だと自問する。
僕は以前から危惧していたことがある:
《権力は腐敗する》のは歴史的事実で監視しなければならない。だがメディアの論調は単純な体制と権力へのヒステリックな批判に過ぎない。これは何時か反動が来るぞと心配していた。杞憂ではないようだ。
 
《イルンでTVEのニュールンベルグ裁判の記録映像を3回にわたって3時間放映したのを見て驚いた。被告席のナチの犯罪者たちは裁判が始まる前はゲーリングが中心になってゲラゲラ笑っている。裁判中もとぼけた顔で知らんふり。これはならず者の集団だ。ナチは。
東京裁判では被告は常に恭順の意を表していた。ここに日本人の勘違いがあったのだろう。
ドイツは犯罪者ナチを自ら断罪した。日本は犯罪者を靖国に合祀した。
 
 
Lauburu | 東京で | 16:29 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

恵比寿にて〜25

《ベアが今春の労使の焦点になっている。企業が利益を上げても労働分配率を上げずに内部留保を積むだけ。利己的な経営者の保身が日本経済の下降スパイラルを生んでしまった。恥ずべき事だ。
社会に出た50年前に、経団連会館で企業経営者たちの話を聞いて会館を出たとき何か強くなったような気がした。颯爽たるジョン・ウェインの映画を見て映画館を出たときの昂揚感と同じだった。
彼らの志を感じたからだった。
最近の経団連はどうだろう。御手洗、米倉の惚け老人が会長では若手には夢は与えられない。
MSやアップルや楽天のような新しい発想の起業家の育成が急務だ。
 
 
《日本の禁煙運動家に文句をつけられた《風立ちぬ》がアメリカでアニー脚本賞を受賞した。アカデミー賞候補にもなっているという。
30年前、禁煙運動が高まった米国のホテルのロビーの片隅でタバコを吸っていたら、中年女性がやって来て恐ろしい形相で《You cut smoking》と怒鳴りつけられた。
禁煙大国の米国で《風立ちぬ》が評価されているのは興味深い。現実とフィクションの違いを仕分けできるからだろう。
日本の禁煙運動家はその仕分けが出来ないほど子供っぽいのだろうか。単なる《私自身のための宣伝》に過ぎないのだろうか。いずれにしても冴えない話だ。
 
 
《インターネットを見ていたらスペインの5〜10歳の子供の20パーセント以上がメタボだそうだ。子供の食事への親の無関心がありそうだ。
スペインの駄菓子屋は原色ギラギラの飴だらけだ。日本の母親は絶対に子供には与えないだろうと思うようなしろものだ。
僕は最高級のイベリコ豚でトンカツを作ったら本当に美味しかった。だが油を大量に使うのでそうは頻繁には食べられない。
インターネットで偶然フィリップス社のAir Fryerという製品を見つけた。油を使わずに高温の空気を循環してフライにするという。だが油を使わないからと云ってトンカツを毎日食べるわけでもなし、そこで長女に訊いたら子供たちが好きなフライドポテトが油を使わずに出来るなら毎日食べさせられるし興味があるという。では彼女の家にAir Fryerを置いておけばよい。僕は時々イベリコの豚カツを味わい孫たちもフライドポテトを毎日楽しめる。
インターネットでAir Fryer使用者のコメントを見たら面白かった。
ダイエットの必要がない人:フライとは似ても似つかないものしかできない。
ダイエットをしている人:安心してフライを食べられてうれしい。
商品の評価は使用者の状況によって大違いなのだった。
 
 
《いま考え込んでいる。
30年来主張してきたエネルギーの最適配置、つまりヒートポンプを除く暖房や厨房や給湯に電力を使うのは間違いだということが僕の原発反対の裏付けになっている。
だが75歳のいま、もしガスストーブやガスコンロを消し忘れたら、と。簡単に宗旨替えはできないし。
 
 
 
Lauburu | 東京で | 16:04 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

恵比寿にて〜24

《今朝地下鉄の広尾駅から続々と親子連れが出てきた。何だろう。歩道に予備校の旗を持った応援団がいたので中学受験の日だとわかった。
僕が中学を受験したのは昭和27
年。GHQの指令で中学受験は筆記試験は禁止で口頭試問だった(こんな事までGHQは介入していた。いまの憲法は自主憲法だなどと云われると笑い出したくなるのはこのためだ)。頭の良いやつよりも図太いやつが有利な時代だった。


いま日本の女性研究者が世界で高い評価を得ている。
僕はノーベル賞の信奉者ではないが何かの目安にはなるだろうとは思う。
東アジアの理科系のノーベル賞受賞者をみると日本は15
人、大韓民国と中華人民共和国はゼロ。
少なくとも日本では目先を追わない人たちがいるのは確かだ。


 
《女性研究者の子供のときの作文や写真、勉学時代の実験器具などがテレビのワイドショウで紹介される。このような私的なものを本人の承諾もなしに報道機関に渡して良いものなのか。
彼女が役にも立たない受験勉強をせずに推薦で大学に入ったこと、後に米国の一流大学で研鑽したことが分かれば充分だ。
研究者と芸能人の区別がつかない心性が悲しい。

 
《僕はスペインの歴史学者の中南米史を読んでいてなるほどと思った。新大陸に行ったスペイン人は極貧のエストレマドゥーラ地方の連中だった。
ペルーの先住民を抹殺したピサロは豚飼いの息子で無学文盲、メキシコを征服した一番まともなコルテスもサラマンカに学びには行ったがモロッコの紛争に参加して勉学は放棄した。
史書に現れる人間は全てが悲惨なほど欲に目がくらんだ低級な連中だ。
スぺインの史家は云う、島国で資源の乏しいイギリスも国の発展のために海外に出て行った。だが出て行ったのは選良だった。それが世界での現在のスペインとイギリスの影響力の違いだと。
日本帝国がアジアで行ったことはどっちだったのだろうか。

 
《きのう50年前に働いた豊洲地区を訪れた。仰天した。様変わりしている。
晴海喘息が問題になり自転車が1年も経たないうちに腐ってしまう。腐らないのは人間だけかと思った時代の面影は全くなかった。

帰りの地下鉄で赤ちゃんがムズって困っているお母さんがいた。品の良い老婦人が《赤ちゃんを育てるのは大変ですよね》と云ってあやしていた。

広尾駅からの帰り道に思い出した:つまらないことなので名前は忘れたが、著名な女性が国際線で赤ちゃんの泣き声に腹を立てて《赤ん坊を連れて航空機に乗るな》と云ったことがあった。
もし赤ちゃんがいる若い夫婦が海外勤務を命じられたら、赤ちゃんを日本に捨ててゆけとでも云うのだろうか。
この女性は生まれ落ちたときに《天上天下唯我独尊》と云った偉大な人なのだろうと笑いがこみ上げてきた。
 


 
Lauburu | 東京で | 14:40 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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